7月17日(金)夕方、新宿区内の喫茶室にて、国体思想研究会の第53回定例研究会が開催され、里見岸雄の『吼えろ日蓮』を輪読した。
今回の範囲は、第二章「此のあはれなる日蓮主義者を見よ」のうち、八「日蓮感傷主義者の泣事」・九「臆病なる日蓮主義者」・一〇「この夥しきデモ日蓮」である。
「日蓮主義」を自称する者の多くは、日蓮主義を既に完成したものとして進歩を嫌う。それゆえ、ある者は感傷に浸り、ある者は古典教学の研究に耽溺する。酷い者になると、淫祀邪教で大衆を誑かす一方、偉そうに日蓮主義に関する御高説を垂れて愧じることがない。これらは皆、宗祖・日蓮の名を汚すものだ。
現実に展開されている血みどろの闘争を直視し、理論と実践の両面に於て日蓮主義を完成することが今日以後の日蓮を信仰する者に課せられていると、里見は強調する。これは、今日においても同様と云わざるを得ない。(東山邦守)