7月8日夕方、文京区本駒込の曙町児童会館にて王権学会の第7回公開研究会が開催された。
今回は、國學院大學教授の菅浩二氏が「『神道」から現れる日本王権の神髄 ― 近代を通じなくては「伝統」の深さは語り得ないのか』と題して講演。
菅氏は、来場者と語り合いながら、神道・王権の神髄に迫っていく。神道とは「人間を超えた霊的な力への漠然たる信頼と恐れ」に基づき、その力(「カミ」)と人間との関係として立ち現れる。時代を経る中で神道は仏教や儒教などなど様々な思想と混淆してきており、原初から変わらぬ一定の原理は見出だせぬが、各時代において、始原を追い求めよう、始原に還ろうという意志は存在した。天孫降臨の神話は「あめつち」の垂直的世界観を表現するもので、日本の奥深いところと通じている。それは、国土に生活する人間の感覚でもあり、「近代」を超えた深みがあるのではないか。(愚泥)