始原を追い求める意志 ― 東都で王権学会の公開研究会〔7月8日〕

7月8日夕方、文京区本駒込の曙町児童会館にて王権学会の第7回公開研究会が開催された。

今回は、國學院大學教授の菅浩二氏が「『神道」から現れる日本王権の神髄 ― 近代を通じなくては「伝統」の深さは語り得ないのか』と題して講演。

菅氏は、来場者と語り合いながら、神道・王権の神髄に迫っていく。神道とは「人間を超えた霊的な力への漠然たる信頼と恐れ」に基づき、その力(「カミ」)と人間との関係として立ち現れる。時代を経る中で神道は仏教や儒教などなど様々な思想と混淆してきており、原初から変わらぬ一定の原理は見出だせぬが、各時代において、始原を追い求めよう、始原に還ろうという意志は存在した。天孫降臨の神話は「あめつち」の垂直的世界観を表現するもので、日本の奥深いところと通じている。それは、国土に生活する人間の感覚でもあり、「近代」を超えた深みがあるのではないか。(愚泥)

関連記事

  1. 《時の流れ研究会》が「『皇位の安定的な継承を確保するための諸課題』についての見解」を発表〔4月19日…

  2. 三島精神の回顧 ― 東京と福岡で憂国忌〔11月23日/25日〕

  3. 川面凡児の神道思想 ― 京都で民族文化研究会例会〔8月31日〕

  4. 堕胎という悪しき慣習を克服するために ― 東京と大阪でマーチ・フォー・ライフ〔7月23日・24日〕

  5. 三島由紀夫に捧げる一人演劇 ― 福岡で憂国忌〔11月23日〕

  6. 先人の営為に学ぶ ― 岐阜で所功氏らが講演〔9月19日〕

  7. 吉田茂の虚像 ― 東京で杉原誠四郎氏の講演会〔5月19日〕

  8. 『日本(書)紀』をめぐる諸問題 ― 藝林会がオンラインで学術大会〔10月25日〕

  9. 神武建国を偲ぶ ― 東都で第36回紀元節奉祝式典〔2月11日〕

今月の人気記事

  1. 登録されている記事はございません。




PAGE TOP