ヘンリー王子夫妻が公務を退き、「殿下」の敬称を返上〔1月18日〕

1月18日(現地時間)、イギリス王室は、サセックス公爵ヘンリー(ハリー)王子殿下〔現女王・エリザベス二世陛下御令孫〕とメーガン妃殿下が主要王族(シニア・ロイヤル)の地位から退くと発表した。

以下に、王室公式ウェブサイトに掲載された女王陛下および王室広報からのコメント全文を引用する(訳は執筆者による)。

女王からのコメント

「数か月間に及ぶ対話と最近の協議を経て、孫および家族の建設的かつ支えとなる前向きな方向性を見出すことができ、私は安堵しています。ハリー、メーガン、アーチーは、いつまでも私の家族として大いに愛され続けます。

過去2年間にわたって強い注目を浴び続けた結果、2人が大変な思いをしてきたのは分かります。

もっと独立した生活を営みたいという2人の希望を支持します。

国内や英連邦各地、さらにそれ以外の場所で、2人が誠心誠意を尽くして働いてくれたことに感謝したいと思います。そして、実にあっという間に家族の一員となったメーガンを、とりわけ誇らしく思います。

本日の合意により、2人が幸せで穏やかな生活を新しく築き始められるよう、家族全員が望んでいます。」

王室広報からのコメント

「サセックス公爵夫妻は、人生における新しい章に乗り出す自分たちに対する女王及び王室の継続的支援に深甚なる感謝を示しています。

この新しい取り決めに従い、彼らは軍務を含む公務から引退することを命じられたと理解しています。彼らは、公務のために公費を受け取ることはなくなるでしょう。

女王陛下の賛成を得て、サセックス夫妻は私的な後援や交際を維持し続けるでしょう。今後は女王陛下の正式な代理を務めることはできないものの、陛下が重視される価値観を自分たちも引き続き大事に掲げていくことを、サセックス夫妻は明確に表明されました。

サセックス夫妻は、王室の公務に携わる一員ではないため、『殿下』の称号を用いることはないでしょう。

サセックス公爵夫妻は、一家がイギリスにおいて居住するフロッグモア・コテージを改修するために支出した王室助成金を返還する希望を共有しています。

バッキンガム宮殿は、警護体制の詳細についてコメントしません。公的資金による警護の必要性を決定するための、独立したプロセスが確立されています。

この新しいモデルは、2020年春から効力を発するでしょう。」

ヘンリー王子夫妻を巡っては、主としてメーガン妃および親族の行動がメディアの批判を招いていた。さらに、夫妻は、去る8日、シニア・ロイヤル(主要王族)の地位から離脱し、経済的自立することと引き換えにイギリスとカナダで自由な生活を送るという「進歩的で新しい役割」を目指すという意向を示しており、王室の内部で検討が進められていたという。

これにより、ヘンリー王子は主要王族としての礼遇と「殿下」の称号を失うが、「サセックス公爵」という貴族としての爵位は保持し、父であるチャールズ王太子からの経済的支援も受け続けるようだ。

英国王室と我が国の皇室とは成り立ちからして大きく異なり、安易な類推は慎むべきだが、皇族の配偶者選定において公的な視点を踏まえることの重要性を改めて痛感させられた出来事である。〔東山邦守〕

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