イタリア人から現代日本への警告 ― 三島由紀夫研究会公開講座〔2月25日〕

2月25日夜、アルカディア市ヶ谷〔東京都千代田区〕において、三島由紀夫研究会公開講座が開催され、ロマノ・ヴルピッタ氏(京都産業大学名誉教授)が、「三島由紀夫に思いを寄せて~現状を考える」と題して講演した。

20世紀において世界の中心は欧州から(アメリカ、ソ連、そして西洋化した日本も含めて)西洋へと移行したが、今後、その構図の変化は免れないだろうとするヴルピッタ氏は、その背景にあるグローバルリゼーションの進展を以下のように素描する。

グローバリゼーションの下、人間は全て消費者と見なされるようになり、標準化が進行した。民族・言語・文化・習慣・性別・価値観・社会的地位・教育水準などは差別の原因とされ、人間は個性のないマルチチュード(大衆)となる。新左翼の思想家は、このマルチチュード(大衆)が現行秩序の崩壊をもたらすだろうと予言したが、実際には、富の集中や貧富の拡大、少子高齢化を背景とする移民の流入などを背景として、ヨーロッパでは国家主権の再興を目指す勢力が拡大した。

日本もまた、グローバリゼーションが進行する中で、少子高齢化や中産階級の減少が進んでいる。さらに、中国の擡頭を背景として国際社会における地位は低下し、歴史解釈を通じた「日本たたき」も激化している。

その上、「開かれた皇室」の弊害は、ますます強まっている。

そうした情況の下、日本を真の独立国家して再建するためには、三島由紀夫の示した「文化概念としての天皇」を取り戻し、それに依拠してグローバリゼーションを克服する途を探ることが重要であると結んだ。〔M・K〕

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