国家に寄生する輩ども──東京五輪騒動を巡つて

「国体文化」平成27年10月号 巻頭言

 五輪の開催国として国際的な注目を浴びる以上、競技場の美しさはもとより、国際行事の企画運営における洗練ぶりなど総合的な文化力(ソフトパワー)を世界に示す機会とせねばならない。

 にもかかはらず、新国立競技場に引き続き公式紋章まで白紙撤回が決まるなど、東京五輪を巡つて世界に醜態をさらしてゐる。隣接する聖徳記念絵画館の存在を顧慮したとは思へぬ巨大な新国立競技場にせよ、仮名や漢字ではなく英文字を象つた公式紋章にせよ、何故こんな代物が選ばれたか理解に苦しむ。さらに、建設費用が当初予算の倍近くに膨れ上がつたり、デザインなどの盗用疑惑が持ち上がるなど、選定過程に関はる問題が明らかとなつた。その上、問題が明らかになつた後も、新国立競技場審査委員長の安藤某にせよ公式紋章をデザインした佐野某にせよ、保身に走るばかりで社会に対する責任意識は全く感じられない。それは、東京五輪組織委員会会長の森某や同専務理事の武藤某にしても同様だ。結局のところ、彼ら及び周辺は国家に寄生し、東京五輪といふ国際的行事に関与して甘い汁を吸ひたいだけの徒輩なのだ。いつたい、竹田恒徳JOC会長は何をしてゐるのか。

 こんな状態が続く限り、いくら広告代理店やマスコミが煽り立てようとも東京五輪に対する国民の関心は薄れていく一方だらう。著名な建築家やデザイナーを集めて形ばかりの公募を行つたところで問題は繰り返されるばかりだ。新国立競技場は原点である明治神宮外苑競技場を基にして設計を見直し、公式紋章に関しては有名・無名を問はず広く国民に開かれた公募を行ふことで、我が国の文化力を結集した東京五輪として貰ひたい。
(金子宗徳)

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