8月10日、文京シビックセンターにて、元韓国防衛駐在官で元陸将の福山隆氏が「最悪の日韓関係〜韓国はどこへいくのか」と題して講演した。
日韓関係の現状についてはメディアやネットなどで報道されているが、軍事専門家の観点から分析を試みた福山氏は、日韓貿易における韓国の「ホワイト国からの除外」を契機として「日韓貿易戦争」が展開しているけれども、その背景には「米中経済戦争」があると指摘。
「米ソ冷戦」を第三次世界大戦と考えるなら、現在は、独裁国家(反自由主義国家)と自由主義国家とによる第四次世界大戦が始まった状態であり、その原因は、アメリカの影響力が低下したことにある。そして、韓国は「どっちつかずの」立場にあるが、その原因を作っているのは、言うまでもなく大統領の文在寅である。
文在寅とは、いったい何者なのか。
言うまでもなく、北朝鮮の「スパイ」であり、共産主義者である。それゆえ、軍隊と情報機関(KCIA)、法曹界を完全に掌握し、自分の意のままになる状態にしようとしているのだ。
その目的は、無血革命による北朝鮮主導の「赤化統一」であり、その背後には、中国と北朝鮮の存在がある。北朝鮮は韓国との「赤化統一」を目指し、中国は、「米韓分断」・「在韓米軍の撤退」・「朝鮮半島の完全支配」を目論んでいる。
もし、韓国が「赤化統一」され、また、中国の影響力下に置かれたならば、日本の防衛ラインは、対馬まで南下する。日本が、それに対抗するためには、現在の「防衛費」を5倍にする必要がある。と言うのも、中国・ロシアからの「侵略」に対峙するためだ。具体的には、(1)ロシアによる北方領土からの進攻、(2)中国による朝鮮半島からの進攻、(3)中国による南西諸島からの進攻、という3パターンが想定されよう。もちろん、日本にはアメリカという同盟国の存在があるが、仮に「有事」となった場合、日本が最前線となり「主戦場」となることが考えられる。
そんな状況を考えると、朝鮮半島における「韓国」の存在は日本にとって「核心的利益」(バッファゾーン)ともいえる存在で、日韓は「断交」してはいけない。韓国において「軍事クーデター」が起き、民主主義体制が保たれるとの期待する向きもあるようだけれども、そのようなことを韓国軍に望むことはできない。むしろ、「遠交近攻策やディヴァイド・アンド・ルール」の観点から、南北朝鮮が統一されないよう、あらゆる手段をとる必要がある。
以上、日本にとって何が最善なのかを考える上で、非常に参考になる講演であった。
〔千田会札幌支部長・今雄二〕