書家にして義人・顔真卿 ― 第2回『靖献遺言』を読む会〔2月3日〕

2月3日、第2回「尊皇倒幕のバイブル、靖献遺言を読む会」が上野で開催された。前回に引き続き『靖献遺言』を読んだが、東京国立博物館で《顔真卿展》が行われていたことから、同展を参加者で見学した後、近くの会議室で輪読会を行った。

顔真卿展ポスター

顔真卿は唐の時代に生まれた。当時は玄宗皇帝の時代で、楊貴妃に溺れ政治が乱れていた時期であった。そんな中、安禄山が反乱の兵を挙げる。顔真卿と同族の顔杲卿は安禄山に対抗する。杲卿は安禄山に捉えられ処刑されてしまう。安禄山の反乱が失敗に終わった後も、常に正論を言う真卿は奸臣に疎まれて、左遷されてはまた復帰するを繰り返していた。

盧杞が大臣になると、その傾向は一層強まった。そんなときに李希烈が反乱を起こす。盧杞は顔真卿に李希烈を説得するよう命じた。明らかに殺されることを見越しての処置である。顔真卿は李希烈を説得するため、長安から汝州に向かったが、途中の洛陽で心ある人に「行けば殺される」と引き留められた。しかし顔真卿は「殺されるとわかっていても、君命である以上避けるべきではない」として汝州に向かい、李希烈に捕らえられ殺された。

《志士の名言:顔真卿編》
◎「節を守りて死するを知るのみ」
(臣節を守って死ぬという外には、何も考えておらぬ。)

次回も顔真卿の続きを輪読する。〔小野耕資〕

関連記事

  1. 激動の時代に対する覚悟を ― 潮匡人氏が千田会で講演〔7月15日〕

  2. 葦津珍彦と「荒魂」の研究動向 ― 京都で民族文化研究会〔8月22日〕

  3. 「尊皇絶対平和」と「ヌミノーゼ」 ― 民族文化研究会関西地区研究会〔5月23日〕

  4. 悲劇の国王を偲び奉る ― ルイ16世追悼ミサ〔1月21日〕

  5. 天皇論の形而上学 ― 東都で歿後49年・三島由紀夫氏追悼の集い「憂国忌」〔11月25日〕

  6. 楠公崇敬の崇敬の歴史 ― 湊川神社で垣田宮司が講演〔4月21日〕

  7. 竹下登と権藤正卿 ― 東京で民族文化研究会〔7月21日〕

  8. 能楽から見沢知廉まで ― 京都で民族文化研究会〔1月13日〕

  9. 朝鮮と如何に向き合うべきか ― 柳宗悦「朝鮮の友に贈る書」百周年記念研究会〔5月23日〕

今月の人気記事

  1. 登録されている記事はございません。




PAGE TOP