平成31年3月23日、福岡市で「三島由紀夫読詠(どくえい)会」と題した三島作品の朗読会が開催された。毎年11月23日に筥崎宮(福岡市東区)で三島由紀夫・森田必勝を追悼する慰霊祭「福岡憂国忌」を主催している福岡黎明社(黒田光弘代表)が主催した。
講師を務めた心育研究家の石原志乃武氏(写真)は、「劇作家でもある三島由紀夫の小説は、声に出して劇的に読むことで初めて真価がわかる。このような朗読法を読詠と名付けたい」と述べ、抑揚をつけながら声を張った朗読法を提案した。
初開催となったこの日は、三島の処女作『花ざかりの森』と遺作『天人五衰(豊饒の海 第4巻)』のラストシーンが取り上げられた。この2つのラストシーンはこれまでも相似が指摘されている。
読詠会では三島由紀夫について詳しく知らない若い世代のために、基礎的な解説も行われた。参加者からは「なぜ三島由紀夫は自殺したのか、他の自殺した作家とどこが違うのか」などの質問が出され、自決の歴史的評価についても活発な議論が交わされた。
読詠会は西暦2020年の没後50周年に向けた追悼企画「義挙50周年プロジェクト」の一環として、今後毎月開催される。初回参加費は無料。
▽福岡黎明社
reimeisha.jp