古典宗学への拘泥も否、新仏教学への耽溺も否 ― 東都で国体思想研究会〔3月6日〕

3月6日夕方、東京都内にて第51回・国体思想研究会が開催された。コロナ・ウィルスの影響で参加者は少なかったが、里見岸雄『吼えろ日蓮』の第二章「此のあはれなる日蓮主義者を見よ」から「馬鹿正直なる哉四箇格言の死守」・「聖典依憑のはきちがへ」・「時代錯誤の新佛教學かぶれ」を輪読する。

「念仏無間・禅天魔・真言亡国・律国賊」という四箇格言は、念仏宗(浄土宗・浄土真宗)、禅宗(臨済宗・曹洞宗)、真言宗、律宗の教団が大きな社会的影響力を有していた日蓮在世時においては批判として意義深いけれども、それらの影響力が弱まった今日においてなお拘泥することは無意味だ。現代において「立正安国」を実現せんとするならば、「マルキシズム、ボルシエビズム、資本主義、帝國主義、國家主義等々の現代思想及び運動に對して敢然と挑戦しなければならない」と里見は主張する。

その際に依拠すべきは、法華経及び日蓮の遺文、さらには天台三大部〔『妙法蓮華経文句(法華文句)』、『妙法蓮華経玄義(法華玄義)』、『摩訶止観』〕などであるが、その読解に当たっては、記述を全面的に真理と見なす素朴的絶対主義に陥ることなく、批判的聖典主義を採らねばならぬ。

素朴的絶対主義に基づき四箇格言を振り回す古典宗学の限界は言うまでもないが、だからと云って、一部青年学徒に見られる如く原始仏教に耽溺したところで何の意味もない。探求すべきは「今日の社會の要求しつゝあるところのものを與へ得る活宗教」であり、「日蓮主義を現實社会的に把握して、生活實践の指導意識を確立」することである。

こうした里見の問題意識は、90年弱が経過した令和の御代においても色褪せていない。諸法実相の見地から、グローバリズム・リベラリズム・市場原理主義・テクノロジズム(技術主義)・オカルティズム・排外主義・ムスリム過激思想などとの思想的に対峙することが求められている。〔東山邦守〕

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