黄色いベスト運動の真相 ― フランス国王・ルイ20世のお言葉〔12月8日〕

フランスでは、燃料税の値上げ発表を契機に、富裕層寄りの政策を展開してきたマクロン大統領に対する抗議運動が続いている。運動の参加者が黄色いベスト(交通安全のため運転中の着用が義務付けられている)を身にまとっていることから、この運動は「黄色いベスト運動」と呼ばれている。

ルイ20世陛下

12月8日、「聖母マリアの無原罪の御宿り」の祝日―イエズスの祖母アンナが聖母マリアを受胎した日―に合わせて、フランス王家・ブルボン家の正統後継者であるアンジュー公ルイ・ド・ブルボン(ルイ20世)陛下は、自らの公式ブログにおいて「黄色いベスト運動」に関する以下のようなお言葉を発せられた。

フランス人よ、愛する同胞たちよ。

数週間にわたり全国の隅々まで広まった「黄色いベスト」という異議申し立て及び抵抗の運動に対し、私は擁護の意思と深い憐れみを表します。また、苦しんでいる人々に対し、困窮に追い詰められている人々に対し、納税に呻吟している人々に対し、侮辱されていて希望さえ奪われてしまった人々に対し、擁護の意思と深い憐れみを表します。また、それら皆が追い詰められた挙句、心に抱いている当然の失望と不安と怒りとを表明するため、一気に立ち上がる他に方法が残されていない人々に対し、私は擁護の意思と深い憐れみを表します。これらのフランス人たちは、数十年前からずっと、ある人々に見捨てられ忘れられてきた物言わぬ者たちに他なりません。そして今、国民の生活様式と国民の尊厳を守るため、フランス国民は一丸となり立ち上がったのです。

従って、フランス国民の願いを聞き入れること、正当な希望を考慮することは重大です。もちろん、国家を揺るがすために、この国民に深く根差した運動を利用しようとする諸極端グループによる暴力行為は憂慮すべき、戒めるべきことです。このような咎めるべき、そして実を結ばない暴力行為こそ、全国民の叫びを聞き入れようとしない連中に手を貸す行為に他なりません。

本日、無原罪の御宿りの祝日に際して、フランスの真正なる皇后である聖母マリアにフランスを委ね奉り、御祝福を希います。

天主よ、御自分の公教会の長女を守り給え。天主よ、困窮と苦悩の中に置かれた哀れなフランス人を助け給え。天主よ、フランス人に希望と我々の国の未来に対する信頼を再び与え給え。天主よ、我らの祖国が立ち直り、国の栄えと心の和みと生きる幸せを成したすべてのことを取り戻せるよう、伏して願い奉る。

12月10日、マクロン大統領はテレビ演説を行い、抗議運動の参加者と対話する意向を示したものの、廃止した富裕税を撤回することを拒むなど問題の根本的解決からは程遠く、現在でもフランス各地で運動が続いている。〔ポール・ド・ラクビビエ〕

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