近代啓蒙主義とフランス革命への懐疑 ― 東都で王権学会公開研究会〔1月29日〕

1月29日晩、東京都内で王権学会の第6回公開研究会が開催された。

登壇者は、モーガン・ジェイソン氏(麗澤大学外国語学部准教授)と山本直人氏(東洋大学文学部非常勤講師)。

モーガン氏は「聖ルイを中心、国家と教会、王権と教権の在り方」と題し、ホッブス、ルソー、ロック以来の西洋哲学から現在まで続く近代啓蒙主義を批判。その根底にデカルト以来の主客二元論を導き出す。一般的な世界認識では「宇宙の中にミサがある」と考えられているが、カトリック界では「ミサの中に宇宙がある」と考えるのだそうだ。質疑応答でもユーモアを交えながら、現代人の世界観を覆すような視点を提供し、参加者を惹きつけた。

山本氏は、「昭和天皇・国体護持の闘い」と題し、「ニューヨーク・タイムズ」紙の会見記事から、昭和天皇の精神形成に最も影響を与えたとされる西洋史家の箕作元八を紹介。 箕作は東大の西洋史学科創設にも関与した碩学。欧米留学中はパリでフランス革命研究の大家・オーラールに学んだ。その主著『仏蘭西大革命史』では、革命直後ミラボーは元より、ダントンもロベスピエールも君主政治を擁護。ルソーでさえ民主主義を信奉していたが、 共和政治には懐疑的だったという。 ところが積年の王室の失政と海外への逃亡が人民の不信を招き、革命派は急進化。敗戦直後の日本もあわや革命前夜の雰囲気もあったが、昭和天皇はこうした革命直後のフランス王室を反面教師としたことで、危機を乗り越えたのでは…と指摘。 後半は世界の王室と各国の君主主義の現況について報告。会場からは「君主制」の定義についての確認もあり、日本の皇室と海外王室を比較する際の安易な並列の困難を改めて考えさせられた。〔八阪廉次郎〕

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