皇室の将来について真剣な議論を

「国体文化」平成28年2月号 巻頭言

平成の御代も二十八年目を迎へた一月二日、皇居において天皇陛下および皇族方の御出座しを仰いだ。矍鑠たる陛下の御様子に深く安堵したものゝ、先に八十二歳の御誕生日を迎へられたばかりである。さらに、皇位継承権を有する男性皇族も、皇孫であられる悠仁親王殿下(九歳)の他は、陛下の叔父上であられる三笠宮崇仁親王殿下(百歳)を最高齢として全員が五十歳以上だ。一方、眞子内親王殿下・佳子内親王殿下を始め二十代・三十代の女性皇族が六人も居られ、公務に御精励あそばされてゐる。約六年後には愛子内親王殿下も成年皇族として活動を始められるが、独身の女性皇族は現行制度が続く限り御結婚と共に皇族としての地位を失はれる。

このまゝでは皇族の数は減少するばかりで、皇室の御活動に支障が生ずるばかりか、皇位継承じたいが危ふくなる危険性すら存在する。このやうな現状を打開する方策として、まづは女性宮家を創設すべきこと、将来における女系継承の可能性を排除すべきでないことを我らは主張してきた。

昨年末の報道によれば、安倍首相は参院選後に有識者会議を設置して皇室活動の長期的安定策を検討する方針を固めたといふ。一歩前進であるが、皇位継承資格の問題にまで踏み込まねば問題の根本的解決とはならぬ。これに関して、男系男子による継承を守るため旧皇族の末裔に皇籍を与へるべきとの議論もあるが、女性皇族への入夫といふ形ならともかく、生まれながらの一般国民に無条件で皇籍を付与することは君臣の別を乱す。加へて、先に竹田宮家の末裔が大麻所持の疑ひで現行犯逮捕されたけれども、皇族となつた後に同様の醜聞が発覚した場合、皇室に恢復し難い悪影響を齎しかねず、この選択だけは避けるべきだ。

いづれにせよ、これは皇室の根本に関はる問題であり、国民が冷静に議論を尽した上で最後は天皇陛下の御聖断を仰ぐことが必要であらう。
(金子宗德)

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