諸葛亮と陶淵明 ― 第5回『靖献遺言を読む会』を読む会(6月2日)

6月2日、「第5回尊皇倒幕のバイブル、靖献遺言を読む会」を大手町で開催した。今回は『靖献遺言』「諸葛亮」の続きと「陶潜」の項を読んだ。

浅見絅斎は『靖献遺言』に「諸葛亮」を収めるにあたり、「三国志演義」等で有名な諸葛孔明の軍略智謀をあえて述べず、「出師表」を掲げ諸葛亮が「謹慎の人」であることを示した。「謹慎の人」というのはどういう感覚かは現代人にはわかりづらいが、道義を再興し、君たるべき人につかえることで乱世を鎮めようという精神である。諸葛亮にこの「謹慎」の精神があることを指摘したのは水戸学の藤田幽谷であった。

「陶潜」は陶淵明の名で現代日本人にも知られている、漢詩人として有名な人物である。陶潜は西晋につかえていたが、その崩壊とともに隠棲し、二度と出仕しなかった。陶潜は、殷が滅亡して周が成立した後も殷への忠誠を忘れず餓死した伯夷・叔斉に心を寄せていた。それは、陶潜の名作とされる「帰去来の辞」にも窺うことができる。陶潜は、燕のために秦王を暗殺しようとした荊軻たらんとする志を秘めていたのである。

《志士の名言:陶潜編》

◎「かの天命を楽しみ復たなにを疑わん」〔天から与えられた使命のままに安んじて、何の疑うところもないのである。〕

次回は文天祥を輪読する。〔小野耕資〕

関連記事

  1. 「傲慢だぞ日蓮主義者」・「阿片的宗教意識」 ― 東京都内で国体思想研究会〔11月29日〕

  2. 鯨食文化の復興はなるか ― 政府がIWC(国際捕鯨委員会)から脱退〔12月26日〕

  3. 思想的混迷の由来 ― 東京でカトリック復興の集い〔6月1日〕

  4. 真の気概とは ― 東都で崎門学研究会〔2月15日〕

  5. 護衛艦の雄姿 ― 蒲郡まつりに2隻が来航〔7月28日〕

  6. 本義を保つべく ― 東京で新嘗を祝ふ集ひ〔11月23日〕

  7. 明治天皇の御聖徳を偲ぶ ― 桃山御陵参拝団〔11月3日〕

  8. 中共の人権弾圧に抗議する国際的連帯行動 ― 東都でResist China 日本(10月1日)

  9. 正気と尊厳 ― 東都で『靖献遺言』を読む会〔12月22日〕

今月の人気記事

  1. 登録されている記事はございません。




PAGE TOP