能楽から見沢知廉まで ― 京都で民族文化研究会〔1月13日〕

1月13日午後、貸会議室オフィスゴコマチ(京都府京都市)にて、民族文化研究会関西地区第九回定例研究会が開催された。

報告者は中村龍一氏と半木糺氏。

中村氏は、「日本音樂を私達の生活に取り戻すために(第五囘)―能樂」と題し、能楽の歴史的沿革を概観。能楽は、平成十三年に世界無形文化遺産に登録され、その芸術的価値が世界的に注目されており、同報告を通じて概要を知る貴重な機会となった。

見沢知廉

続いて、半木氏が、「見沢文学の可能性―『天皇ごっこ』を読む」と題し、見沢知廉〔昭和34年(1959)~平成17年(2005)〕が展開した文学の可能性を考察。見沢の作品が文芸批評において全く取り上げられない現状について触れた上で、見沢文学を再考する端緒として『天皇ごっこ』の読解が試みられた。見沢文学は、作者の自殺により主題の完全な結実を迎えぬまま途絶したが、こうした未熟性や未完成性を可能性と捉えるべきと結論づけた。

その後、里見岸雄『天皇とプロレタリア』を輪読。今回も活発な議論が展開された。〔S・A〕

関連記事

  1. 昭和12年学会第1回公開研究会〔1月19日〕

  2. 歴史を「横割り」で見る ― 東京で昭和12年学会研究発表大会〔11月10日〕

  3. 浸透する韓国人 ― 高山正之氏が東京で講演〔11月23日〕

  4. 『日本(書)紀』をめぐる諸問題 ― 藝林会がオンラインで学術大会〔10月25日〕

  5. 正気と尊厳 ― 東都で『靖献遺言』を読む会〔12月22日〕

  6. 「明治の精神」を問い直す ― 東京で国体文化講演会〔12月7日〕

  7. 共産主義を巡る諸問題 ― 東京で王権学会〔8月26日〕

  8. 三島精神の回顧 ― 東京と福岡で憂国忌〔11月23日/25日〕

  9. 「正統」とは何か ― 東京で崎門学研究会〔5月5日〕

今月の人気記事

  1. 登録されている記事はございません。




PAGE TOP