「女性宮家」の是非を検討するに際して

国体文化(平成24年2月号) 巻頭言

去る一月六日、藤村修内閣官房長官は、「皇室制度のあり方に関する検討の進め方」について、女性皇族を当主とする「女性宮家」の是非を皇位継承の問題と切り離して先に検討したいとの方針を明らかにした。「女性宮家」は前例がなく、実現を目指すとなれば配偶者の身分など解決せねばならぬ多くの課題が存在する。充分な議論の時間を確保するためにも、検討を開始することじたいに異存はない。

検討に際しては、小泉純一郎首相の私的諮問機関として平成十六年十二月に設置された《皇室典範に関する有識者会議》が翌年十一月に提出した報告書を叩き台の一つとするやうで、同会議の座長代理を務めた園部逸夫氏(元最高裁判事)を内閣参与に任命した。園部氏におかれては、(皇位を下支へしてきた)「国体」に関する認識を深められ、これまでの経緯に囚はれることなく職責を果たして頂きたい。

検討にあたつては、有識者に対する意見聴取や国民各層からの意見公募もさることながら、(直接的な当事者である女性皇族を始め)皇族方の御意向を御伺ひする必要があらう。本来ならば、「皇室会議」の機能強化や(明治典範に規定されてゐた)「皇族会議」の復活など、御意見を披瀝するに相応しい公的な場を設けるべきだ。一部皇族の私的な御発言がマスコミを通じて報道される現状は、その影響力の大きさゆゑ好ましくない。とは言ふものの、結論先にありきの姿勢で、皇族方の御意見を黙殺するが如き態度もまた臣子の取るべき態度ではない。

皇族方および国民各層が公論を尽くした後、内閣総理大臣は陛下の御聖断を仰ぎ、国会における全会一致の可決を目指して政治生命を賭けるべきだ。野田首相の覚悟や如何。

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