【本誌新連載】新・不都合な日本語「韓国」

月刊『国体文化』平成31年1月号より始まった新連載「新・不都合な日本語」は、産経新聞元編集委員でジャーナリストの大野敏明氏が執筆します。その第1回を記念してWEB版に無料公開!いま話題の日韓関係について、鋭く突っ込んでいただいています!

大韓民国と称している国は、実にユニークな言動で世界を驚かせてくれますね。

最近では昭和40年の日韓請求権協定で、最終的かつ不可逆的に解決したとされる朝鮮人元労働者が起こした日本企業への賠償請求を、なんと大法院(最高裁)が認めて、日本企業に賠償金を払えという判決を出してしまった。

大法院の判決だから、確定するわけで、韓国政府は「三権分立だから、政府は司法の判断を尊重する」なんて言ってる。日本は怒っているけど、この怒りが韓国に伝わっているようには思えないね。

まあ、これまであの国のわがままを、駄々っ子をなだめるように「ハイハイ」と聞いて甘やかしてきたことのツケがここまで回ってきたんですね。

この裁判に関しては、韓国政府が「問題は日韓間ですでに解決している。請求に関しては韓国政府が支払うから、訴えを取り下げよ」と言うか、裁判所が同様の趣旨で請求を棄却し、韓国政府に誠実な対応を求めれば済んだ話です。それが世界の常識。個人の請求権が存在するかどうかなんて、法律をいじくるから、どんどんややこしくなっちゃった。

そもそも募集に応じて日本に出稼ぎにきた朝鮮人労働者に、賠償を要求する権利があるのかという疑問もありますよね。

ではなんで、韓国政府はそれをやらなかったのか。それは朝鮮半島の歴史を見れば分かります。朝鮮半島では、王朝が交代すると、前王朝はすべて否定され、破壊されるのです。

新羅による百済の破壊、高麗による新羅の破壊、そして1392年に建国した李氏朝鮮は、高麗のすべてを破壊しました。

高麗王朝は王建が打ち建てた王朝で、仏教を国教とし、白磁を重んじていました。しかし、朝鮮王朝は儒教を国教とし、仏教を弾圧し、寺院を破壊し、白磁を禁止し、青磁を作らせたのです。仏教は山に逃れ、白磁は壊されました。

現在、ソウル市内にある寺は曹渓寺だけですが、これも日本統治時代に建立されたものです。

きわめつけは、国姓である「王」という姓をもった者をすべて処刑したのです。そこで「王」という姓を持つ人は「田」「申」「車」「全」「金」などに姓を変えて生き延びました。どうです。これらの字には「王」が隠されているでしょ。

日本はどうですか。蘇我氏が滅んで、飛鳥文化は破却されましたか。都が奈良から京都に移って、奈良の寺は焼かれましたか。鎌倉幕府は京都を破壊しましたか。明治維新になって江戸はなくなりましたか。

日本は政権がどう変わっても、前の時代の文化は守り続けるのです。ですから、日本には縄文時代以来の文化、伝統が脈々と残り、積み重なり、重層的な文化が形成されたのです。過去の文化を破壊するなどという歴史は皆無なのです。

そしてその中心には天皇がいらっしゃったのです。

この差はどこからくるのでしょう。それについてはまたあらためて述べる機会を得たいと思います。

王朝だけではありません。政権も同じなのです。

前政権のやったことはすべて否定する。これが韓国の「伝統」です。韓国初代大統領李承晩は国外追放で亡命、朴正熙は射殺され、全斗煥は死刑判決、盧泰愚は懲役年、金泳三は次男が逮捕、金大中は息子三人が逮捕、廬武鉉は自殺、李明博は実兄が逮捕、本人も逮捕起訴されている。

そして朴槿恵は国会で弾劾され、失職し、逮捕され、実刑判決を受けている。現政権は常に前政権を否定する。こんな国あります?

月の末に韓国が「慰安婦財団」を解散するというニュースが飛び込んできました。日韓で合意した慰安婦問題解決の政策を破棄したわけです。

日韓請求権協定は保守派の朴正熙時代、慰安婦財団は同じく朴槿恵時代ですから、革新派というか、親北派の文在寅政権は何が何でも否定したいのです。

国家と国家、政府と政府の条約であろうが、協定であろうが、合意であろうが知ったことではない、というわけです。

では日本はどうすればいいか。私の答えは簡単です。

日本も日韓の合意を破棄すればいい。

まずは在日韓国人の永住権を取り消し、例えば、三年の猶予期間が過ぎたら、国外追放にする。その間、在日韓国人の日本帰化を認めない。

そして永住権を持たない来日韓国人についても一年の猶予をもうけて国外追放にする。そして出国した在日、来日韓国人の再入国を認めない、とするのです。

韓国政府は猛反発するでしょうし、在日、来日韓国人はパニックに陥るでしょう。

ですが、これは彼らが撒いた種なのです。相手が条約や協定、合意を破るなら、日本も破ればいい。韓国政府は、日本にはどんな無理難題を言っても聞いてくれるという甘えがあります。その考えをたたき直すことが必要です。

そこまでやれば、いかな韓国政府といえども、自分たちがしていることの愚かさ、過ちを悟り、労働者問題も慰安婦問題も解決されると思いますがね。

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大野敏明(おおの・としあき)昭和26年、東京都生まれ。学習院大学法学部卒。防衛研究所一般課程修了。産経新聞社で社会部次長、特集部長、大阪本社文化部長、千葉総局長、東京本社編集長などを歴任。著書は「西郷隆盛の首を発見した男」「日本語と韓国語」(いずれも文春新書)、「切腹の日本史」(じっぴコンパクト新書)など多数。産経新聞元編集委員で、現在はジャーナリスト。

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