1月31日夜、新宿区内の会議室において第50回・国体思想研究会が開催された。
本研究会では、里見岸雄の『吼えろ日蓮』を輪読しているが、今回は第2章「此のあはれなる日蓮主義者を見よ」のうち、「黴の生えた觀念宗學」を読む。
「日蓮主義と稱する以上、日蓮の遺文なり、法華経なりに根本を發するのは當然としても、根源を發するといふ事と、幾百千年相も變らず死んだ概念や觀念的創造にかゝる名目などを糞正直に襲用してゐるといふ事とは、おのづから別である」とする里見は、「今の日蓮主義者が現在社会に建設すべき敎判は三大秘法以前の五綱敎判のむしかえしであるべきでなく、むしろ日蓮が五綱敎判を樹立したような規模を以て、あらゆる現代の哲學、科學、社會史等を批判するところのものでなければならない」と述べている。
この一節は約90年前に記されたものだが、そこに示された問題意識は今なお色褪せない。現代に生きる私たちも、微力ながら力を尽くしたい。〔東山邦守〕