中華人民共和国にとっての70年 ― 東都で樋泉克夫氏が講演〔1月25日〕

1月25日午後、東京都武蔵野市にてグローバリセーション研究所の主催による講演会が開かれ、樋泉克夫氏〔愛知県立大学名誉教授〕が「中華人民共和国にとっての70年 ― 『復仇』と『富強』…その光と影」と題して講演した。

冒頭、武漢で発生し、世界各地に波及している新型ウィルス性肺炎に触れた樋泉氏は、国内においてさえ国民の自由な移動を認めなかった毛沢東の時代には見られなかった現象であると指摘。その上で、中国は急激な経済発展を遂げたが、生活文化は以前と変わらず、なおかつ生活水準の向上による中国人の体質変化も相俟って事態の悪化を招いたのだろうと推測。

アヘン戦争以来の屈辱を雪ごうとした毛沢東は、「超英趕美(イギリスを追い越し、アメリカに追いつく)」を標榜し、外国資本を排した自力更生路線を採用したものの、それは失敗に終わる。毛沢東の死後、鄧小平は外国資本と先端技術を積極的に導入し、膨大な余剰人口を安価な労働力として外資に提供し「世界の工場」を作り上げ、今や東アジアの経済的中心は日本から中国へと移った。

欧米や日本は経済が発展すれば民主化が進むと考えていたけれども、実際には市場経済と強権政治は親和性を有している。現在の指導者である習近平は、少年時代に毛沢東思想を刷り込まれており、その影響か個人崇拝を強化してきた。

とは言え、新型ウィルス性肺炎の蔓延など経済発展に伴う新たな問題も生じており、今回の事態への対応を間違えれば世界的に反中ムードが勢いを増す可能性は否定できず、それゆえに中国の動きには今後とも目を離せないと講演を結んだ。〔東山邦守〕

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