「近代化」とは何か ― 京都で民族文化研究会〔12月21日〕

12月21日午後、貸会議室オフィスゴコマチ(京都市)にて、民族文化研究会関西地区第20回定例研究会が開催された。

報告者は、相川絹二郎氏と湯原静雄氏。

まず、相川氏が、「近代トルコにおける言語純化運動」と題し、近代トルコのナショナリストが展開した言語純化運動を概観した。近代トルコでは、アラビア語やペルシャ語から多大な影響を受けていたトルコ語の現状に問題意識をもつナショナリストが、雑誌「若いペン」を創刊し、トルコ語の純化運動である「新言語運動」を展開した。本報告では、こうした外国の言語純化運動を踏まえ、日本語をいかに外来語から防衛し、純化させていくか、という問題まで議論が及んだ。

続いて、湯原静雄氏が、「近世日本経済思想史における自由と統制――近代的市場観の登場」と題し、近世日本経済思想における近代的市場観の形成過程を概観した。ライシャワーやロストウによる日本近代化論を受け、藤井定義らを中心として、経済思想史研究でも、前近代日本において自発的な近代化の萌芽が見られたとする議論が出現している。本報告では、こうした議論から影響受けつつ、近世日本経済思想を概観することによって、そこでの近代的市場観の発展を描き出した。

その後、里見岸雄『討論天皇』を輪読した。〔湯原静雄〕

関連記事

  1. 忠臣の鑑・文天祥 ― 第6回「『靖献遺言』を読む会」(8月4日)

  2. 保田與重郎は萬葉集を如何に読んだか―大神神社で再興・第6回桜井かぎろひ忌〔10月4日〕

  3. 昭和12年学会第1回公開研究会〔1月19日〕

  4. 正定事件から宮沢俊義まで ― 昭和12年学会第4回公開研究会〔4月20日〕

  5. スペイン前国王の金銭スキャンダル ― かつては、スペイン民主化の立役者として国民の敬愛を集めていたが…

  6. 真の気概とは ― 東都で崎門学研究会〔2月15日〕

  7. 中東世界と一帯一路 ― 京都で民族文化研究会〔2月15日〕

  8. 乃木大将と山鹿流 ― 崎門学研究会特別講座〔9月1日〕

  9. 始原を追い求める意志 ― 東都で王権学会の公開研究会〔7月8日〕

今月の人気記事

  1. 登録されている記事はございません。




PAGE TOP