「神武建国」を堂々と祝ふべし

「国体文化」平成26年3月号 巻頭言

建国記念の日にあたり、安倍晋三首相はメッセージを発表した。大東亜戦争敗戦後に廃止された紀元節が建国記念の日として実質的に復活してから四十七年、このやうなメッセージを首相が発表したのは初めてゞある。「祝日」が「休日」と同一視されてしまつてゐる今日、首相みづから「この祝日は、国民一人ひとりが、わが国の今日の繁栄の礎を営々と築き上げたいにしへからの先人の努力に思いをはせ、さらなる国の発展を誓ふ、誠に意義深い日」(原文は当用仮名遣ひ)であると、国民に説いたことについては評価してよいだらう。

しかし、神武天皇による建国を偲ぶといふ、最も根本的な部分に言及しなかつた点は残念でならない。そもそも、祝日法には「建国をしのび、国を愛する心を養う」とあるだけで、橿原宮(大和国)における神武建国といふ具体的な伝承とは直接的な関係を有さないとされ、その日付も祝日法本文ではなく政令により定められてゐる。といふことは、政府見解しだいでは全く違ふ日が「建国記念の日」として定められる可能性も否定できぬのだ。また、建国記念の日を奉祝する政府主催の式典も未だ行はれてゐない。

今日においても、橿原宮の故地に建つ橿原神宮で斎行される紀元祭には天皇陛下からの幣物が奉られるなど、皇室におかれては神武建国の精神を深く尊重あそばされてをり、政府を始め国民は自らの不作為に対して心から反省する必要がある。

幸ひなことに、建国記念の日を巡つて続く不正常な情況を改めようとする動きが与党である自民党内部に生まれつゝあるやうだ。橿原ないし東京で政府主催の式典が開催され、皆で声高らかに「紀元節」の歌を奉唱する日が来るよう、我々としても努力を重ねて参りたい。
(金子宗德)

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